警報と注意報って何がちがうの?
どちらも災害時の警告を促すものですが、必要となる行動が変わってきます。
「注意報は注意すれば良いだけ」
「警報といっても目の前で災害が起きたわけじゃないから大丈夫」
まさかそんな風に考えていないですよね?
気象庁が発表する警報や注意報には、住民一人一人が自分の命を自分で守るための行動を促す役割があります。
それでも、〇〇警報や〇〇注意報では具体的にどんな行動をとれば良いかがわかりにくいことから、5段階の警告レベルでも示されるようになりました。
ここでは、警報と注意報の違いだけでなく、その時とるべき行動にまで言及していきます。
警報・注意報の違い

災害時の警戒レベルを伝える手段として、「注意報」と「警報」があります。
警報には「警報」と「特別警報」があり、
- 特別警報
- 警報
- 注意報
の順に警告レベルが高くなります。
全国共通して使われる用語ですが、各地の地形、地盤の強度、気候などによって、地域ごとに発表基準が異なります。
事前に気象庁HPにて、各都道府県の市町村ごとに設けられた発表基準を確認しておきましょう。
注意報とは
注意報って何?
『災害がおこる恐れがあるので、注意してください』という呼びかけです。
注意報とは、「気象業務法施行令」で定義されたもので、気象・地面現象・高潮・波浪・浸水・洪水の6種類を対象に発表されます。
警戒レベルに応じて注意報か警報かがわかれますが、注意報から警報に切り替わる可能性は十分あります。
「注意報だからまだ大丈夫だろう」ではなく、警報に切り替わる可能性を十分考慮に入れて、災害に備えましょう。
なお、警報級の現象が5日先までに予想されているときには、気象庁より「早期注意情報(警報級の可能性)」として[高][中]の2段階で発表があります。
住民一人一人が「自らの命を自らが守る」ためにしっかり準備するための注意報である事を理解しておいてください。
- 注意報:災害が起こる恐れがある旨の注意喚起
- 早期注意情報:5日先までに警報級の現象が予想される時に発表
警報と特別警報
警報と特別警報って何が違うの?
警報は『災害が起こるおそれがあるので警告します』というもので、中でも『予想される現象が特に異常な場合』に出るのが特別警報です。
警報と特別警報は、「気象業務法」で定義されたものです。
「警報」は注意報とおなじく、気象・地面現象・高潮・波浪・浸水・洪水の6種類を対象に発表されますが、「特別警報」は気象・地面現象・高潮・波浪の4種類のみです。
気象庁HPによると、警報は、重大な災害が発生するような警報級の現象が概ね3~6時間先に予想されるときに発表することとしています。
警報は、予想される災害レベルが高い場合に出される警告です。
中でも特別警報は、数十年に一度しかないような大災害が予想される場合のみに発表されます。
最大級の警告となるため、避難指示や避難勧告に従って、すみやかに行動に移しましょう。
- 警報:予想災害レベルが高い時に出る警告
- 特別警報:めったに出ない最大級の警告
警報・注意報の種類

注意報や警報ってどんなものがあるの?
特別警報は6種類、警報は7種類、注意報は16種類あります。
種類 | 大雨 | 洪水 | 暴風 | 強風 | 暴風雪 | 風雪 | 大雪 | 波浪 | 高潮 | 雷 | 融雪 | 濃霧 | 乾燥 | なだれ | 低温 | 霧 | 着氷 | 着雪 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
特別警報 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||||
警報 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | |||||||||||
注意報 | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
警報と特別警報はほとんど同じだけど…分ける意味ってあるのかしら?
東日本大震災の時、大津波警報を出しましたが、住民の迅速な避難行動に繋がらなかったんです。
特別警報は、平成25年8月30日(金)に運用を開始しました。
その背景には、東日本大震災や平成23年の台風12号で、大津波警報や大雨警報を出したにもかかわらず、住民の迅速な避難行動に繋がらなかったことがあります。
特別警報は、警報の発表基準をはるかに超える現象に対して発表されます。
特別警報が発表された際には、早急に命を守る行動をとってください!
避難時に持ち出したいものは、下記の記事にまとめています。

警報・注意報が出た時に取るべき行動とは

平成31年3月に内閣府の「避難勧告等に関するガイドライン」が改訂され、住民は「自らの命は自らが守る」意識を持ち、自らの判断で避難行動をとるとの方針が示されました。
そんなこと言われても、具体的に「いつ」「どんな」行動をとれば良いのかわからないわ。
災害時に天気予報を見ていて、警戒レベルって聞いたことないですか?
あれが住民の行動指針を示しているんですよ。
現在は、住民がとるべき行動をわかりやすくするために、5段階の警戒レベルを明記して防災気象情報が提供されています。
各自治体は、防災気象情報をもとに避難勧告等を出すため、避難指示が遅れがちです。
そのため、自治体からの避難勧告が出ていなかったとしても、警戒レベル4(高齢者の場合は警戒レベル3)相当の発表があった際には、危険度分布や河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をしてください。
基本的には「警戒レベル4で全員避難」です。
高齢者や小さいお子さんがいるご家庭、歩行が困難な方など、避難に時間を要する方は「警戒レベル3」で避難してください。
以下、首相官邸のHPより引用し、警戒レベルに応じてとる行動をまとめました。
【大雨特別警報/氾濫発生情報】
何らかの災害がすでに発生している可能性が極めて高い状況。命を守るための最善の行動をとること。
【土砂災害警戒情報/高潮特別警報/高潮警報/氾濫危険情報/危険度分布(非常に危険「うす紫」)】
災害が想定されている区域等では、自治体からの避難勧告の発令に留意するとともに、避難勧告が発令されていなくても危険度分布や河川の水位情報等を用いて自ら避難の判断をすること。
【大雨警報(土砂災害)/洪水警報/高潮注意報(警報に切り替える可能性高い場合)/氾濫警戒情報/危険度分布(警戒「赤」)】
災害が想定されている区域等では、自治体からの避難準備および高齢者等避難開始の発令に留意するとともに、危険度分布や河川の水位情報等を用いて高齢者等の方は自ら避難の判断をすること。
【氾濫注意警報/大雨注意報/洪水注意報/高潮注意報/危険度分布(注意「黄」)】
ハザードマップ等により、災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認すること。
【早期注意情報(警報級の可能性)】
最新の防災気象情報等に留意するなど、災害への心構えを高めてください。
警戒レベルが低いからといって油断は禁物です。
今は注意報でも警報・特別警報に替わる可能性は十分あります。
まとめ|注意報と警報の違いと種類

災害時の警戒レベルを伝える際に、最も警戒レベルが高い順に「特別警報>警報>注意報」があります。
各警告を出す指標は、都道府県の中でも市区町村等によって異なる為、各自治体の防災情報をしっかり把握する必要があります。
- 特別警報:めったに出ない最大級の警告
- 警報:予想災害レベルが高い時に出る警告
- 注意報:災害が起こる恐れがある旨の注意喚起
また、注意報や警報が出された時に、住民がどのような行動をとれば良いかをわかりやすくしめすために、警戒レベルを5段階に分けて示されます。
気象庁から発表される防災情報を用いて、一人一人が「自らの命は自らが守る」という意識をもって、避難勧告の有無にかかわらず、自らの判断で避難行動をとりましょう。
警戒レベル | とるべき行動 |
---|---|
警戒レベル5 | すでに何らかの災害が発生。命を守るための最善策をとること。 |
警戒レベル4 | 自治体からの避難勧告に従う。避難勧告が出ていなくても、自ら避難の判断を。 |
警戒レベル3 | 自治体からの指示に留意する。避難に時間を要する高齢者等は、自ら避難の判断を。 |
警戒レベル2 | 災害想定区域や避難先、避難経路を確認する。 |
警戒レベル1 | 災害への心構えを高める。 |
高齢者や小さいお子さんがいるご家庭等、避難に時間がかかる方々は警戒レベル3で避難の判断をしてください。
基本的に、警戒レベル4で「全員避難」です。
一時避難ですめば良いのですが、災害の状況によっては避難所での生活が長期におよぶ可能性があります。
もしもに備えて、避難する際には長期的避難を想定した上で行動するようにしてください。
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