- 通電火災とは何か
- 通電火災の予防策
通電火災って何?
停電が復旧した時に起こる火災のことを言います。
日本では毎年といって良いほどに、地震や台風などによる災害が原因で停電になります。
その停電が復旧する際に起こる2次災害が『通電火災』です。
通電火災は、その原因と対処方法を知っていれば予防できる可能性の高い災害です。
正しい知識で、災害リスクを減らしましょう!
外出中の被災を想定した『防災ポーチ』
自宅から避難する際に必要な『持ち出し用防災グッズ』
被災後の自宅避難時に必要な『備蓄品』
の3つの備えが必要です。
それぞれリスト化しているので、必ずチェックしてください。
通電火災とは
台風や地震などの災害によって停電した後、復旧時に火災がおきる現象のことで、次のようにして起こります。
- 台風や地震などの自然災害によって停電発生
- 電源がオンのままの状態で電気が復旧し通電
- 接していたもえる物を過熱して出火
電気は他のインフラに比べ、早く復旧します。
送電が再開された時、電気機器の電源がオンになったままだと、自動的に作動することになります。
それが原因で引き起こされる二次的火災を『通電火災』または『復電火災』とよびます。
要するに、停電したのに電源を入れっぱなしにしていたことで起こる火災のことですね。
通電火災の主な原因
一番大きな原因は、前述した通りです。
しかし、阪神淡路大震災で通電火災という2次災害がどれほど恐ろしいものかが全国に伝わり、今では停電後の復旧前に、電力会社や自治体から、必ず周知徹底が図られるようになりました。
そのため、前述した理由での通電火災の件数は、現在では大幅に減少しています。
ですが、通電火災の原因は、これだけではなく、
- 配線が破損している状態で通電し、漏電によって出火
- 家電などの基盤が水にぬれ、想定外の電気回路に通電し出火
といった原因も発覚しているのです。
家電製品の電源をオフにしたから安心、ではないんです。
通電火災の事例
実際に、私の経験した大震災での、通電火災の事例を紹介します。
- 本震直後、納屋のそばに置いてあった炭焼き機が倒壊して出火
- 地震発生後しばらくしてから、オール電化にした住宅の2階から出火
- 地震後に修理した変電設備から出火
- 復電時に電柱上の変圧器が爆発し、地震により電柱から垂れ下がった電線より出火
- 熱帯魚水槽転倒・ヒーターから復電時に出火
- 地震で破損した太陽光パネルによる感電や火災
「阪神淡路大震災」では、神戸市内でおきた157件の建物火災のうち、原因が判明した55件のうち、約60%を占める35件が通電火災によるものでした。
※引用:消防研究センター
揺れがおさまった数日後に火災が発生した事例も確認されています。
また「東日本大震災」では、地震による火災163件のうち、電気が原因となるものが66%の108件にのぼったそうです。
※引用:(独)建築研究所
そのうち、停電復旧時の出火は、全体の13%となる22件でした。
通電火災は、本震後しばらくしてから発生することも多いので注意が必要です。
通電火災を防止する方法
停電による通電火災を防止するために有効な方法は下記3点です。
- ブレーカーを落とす
- 感震ブレーカーを利用する
- 電源プラグをコンセントからぬく
長期間家を空ける時など、外出中の停電に備えるために有効なのが『感震ブレーカー』です。
感震ブレーカーは、地震を察知したら、自動で電気を遮断してくれます。
避難時は特に混乱しているため、感震ブレーカーがあると安心です。
また、停電復旧時には、下記3点を確認してからブレーカーを戻しましょう。
- 配線やコードが破損していないか確認する
- 電気器具の破損状態を確認してからプラグに差し込む
- 燃えやすいものが電気機器の近くにないか確認する
建物や電気機器に外見上の損傷がなくとも、壁内配線の損傷や電気機器
内部の故障により、長時間経過した後、火災に至る場合もあります。
損傷の可能性がある場合は、必ず専門業者に見てもらいましょう。
まとめ|通電火災は原因を知れば予防できる
通電火災の原因は、日常の至る所にあります。
過去の事例から、停電後の復旧時だけでなく、少し時間が経ってから火災に繋がるケースもあることがわかりました。
停電が起きたら、
- 停電になったらまずブレーカーを落とす
- 電源プラグをコンセントからぬく
- 通電時には、配線や電気機器の破損がないか確認する
- 大きな震災地区では、壁内配線の損傷にも注意する
という行動をとるだけでなく、具体的な通電火災事例を知ることで予防に努めましょう。
\真夏の停電時にあってよかったグッズもあわせて確認/